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夜逃げした相手をどう見つける?弁護士が知るべき、所在不明者調査の最強戦略

調停申立事件において、相手方が所在不明となった場合、その後の法的手続きは極めて困難になります。特に、財産開示手続強制執行は、相手の正確な居場所が判明していなければ開始すらできません。

民事訴訟法および民事執行法上、申立て自体が無効となるか、却下されるリスクがあるためです。裁判所による職権調査官公署への照会には限界があり、公的な手続きのみでの特定は困難を極めます。本稿では、なぜこれらの調査が重要なのか、そしてどのようにして所在不明者の居場所を突き止めるのか、具体的なノウハウを交えながら解説します。さらに、専門家が持つべき知識心構えについても言及します。

この記事は、夜逃げ行方不明問題に直面している依頼者を持つ弁護士や司法書士といった法曹関係者の皆様にとって、有益な情報を提供することを目指します。

夜逃げした相手の追跡と調停の遅延問題

調停申立人にとって、相手方が所在不明になることは、手続きを停滞させる最大の障壁です。特に、借金の返済養育費の支払いなど、金銭的な問題が絡む調停において、相手が突然姿を消す「夜逃げ」は、事態をさらに深刻化させます。

この場合、裁判所からの書類を送達することができなくなり、結果として調停自体が遅延し、最悪の場合は取り下げざるを得ない状況に陥ることもあります。このような問題は、依頼人に多大な精神的経済的負担を強いるだけでなく、法的な正義の実現を妨げることにもつながります。

専門家による調査の具体的な手法

夜逃げした相手を追跡するためには、探偵調査会社が行う専門的な手法が不可欠です。単に住所を調べるだけでなく、相手の行動パターンや人間関係、生活様式を把握するための多角的なアプローチが求められます。

1.公的記録の調査(戸籍・住民票)

所在不明者調査の基本は、職務上の権限に基づいた公的記録の調査です。相手方が住民異動届を提出していれば、住民票を追跡することで新住所が判明します。

しかし、夜逃げや意図的な居所秘匿が疑われるケースでは、住民票を移していないことが少なくありません。この場合、戸籍の附票を調査することで、過去の住所変遷をたどることが可能です。これらの公的記録の調査は、弁護士法23条の2などの規定により、特定の法曹資格を有する者のみに認められた職務上の照会権限によって初めて可能となります。

2.「聞き込み」と「聴取」が財産開示手続を成功に導く理由

財産開示手続を行う前提として、相手方の正確な住所を特定する必要がありますが、住所が判明していても、その場所に実際に居住しているかどうかの確認が必要です。この確認において、プロの調査員が行う「聞き込み」「聴取」が極めて重要な役割を果たします。

「聞き込み」とは、相手方の元々の住居周辺勤務先関係者などから情報を得る調査手法です。

一方、「聴取」は、より専門的な知識と技術を要し、情報提供者から必要な情報を引き出すための対話手法です。単に居場所を尋ねるだけでなく、相手の行動パターン人間関係現在の生活状況などを引き出すために、巧みな質問と話術が求められます。

調査報告書の持つ法的効力と公示送達・付郵便送達の重要性

専門の調査会社が作成する調査報告書は、単なる情報の羅列ではありません。裁判所に提出するために、法的な要件を満たす形式で作成されます。具体的には、調査日時場所対象者の行動目撃情報などの客観的な証拠が盛り込まれます。この報告書があることで、裁判官は申立人の主張が正当であることを客観的に判断することができ、付郵便送達公示送達といった特別な手続きの許可を得やすくなります。

付郵便送達は、相手の居住地が判明しているものの、受け取りを拒否している場合などに有効です。一方、公示送達は、相手の住所が全く不明な場合に、裁判所の掲示板に一定期間掲示することで送達したものとみなす方法です。どちらの手続きも、相手の住所が不明であることを示すための現地調査が不可欠となります。

専門家が持つべき知識と心構え:法的手続きの円滑化を目指して

調停申立人が所在不明の相手方を探す際、単に居場所を突き止めるだけでなく、その後の法的手続きを円滑に進めるための準備が重要です。専門の調査員は、法律や裁判所の要件に関する深い知識を持つことが求められます。どのような情報が法的証拠として有効か、どのような形式で報告書を作成すればよいか、といった専門的な知見が、依頼者の利益を最大限に守るために不可欠です。

また、聞き込みや聴取を行う際には、相手方のプライバシーを尊重し、違法な手段に訴えないという高い倫理観が必要です。違法な調査方法は、たとえ相手の居場所を特定できたとしても、その後の裁判で証拠能力が否定されたり、かえって調停申立人が訴えられるリスクを招きます。プロの調査会社は、常に法律を遵守し、合法的な範囲内で最大の成果を出すことを目指します。

このように、夜逃げや所在不明といった困難な状況に直面した際には、専門家である調査会社の力を借りることが、問題解決への最も確実な道です。法的な知識と倫理観、そして確かな調査能力を持つプロフェッショナルが、依頼者の抱える問題を解決へと導きます。

債権回収と財産開示手続の連携

調停申立人が夜逃げした相手方から金銭を回収する場合、調停が不成立に終わった後、裁判を経て債務名義(判決など)を取得することになります。しかし、この債務名義があっても、相手の財産がどこにあるか分からなければ強制執行はできません。ここで財産開示手続が大きな役割を果たします。

財産開示手続は、債務名義を持つ債権者が裁判所に申し立てることで、債務者に対して自身の財産状況を明らかにさせる手続きです。しかし、相手が所在不明である場合、そもそもこの申し立て自体が困難です。専門の調査会社に依頼して相手の現住所を特定し、その調査報告書を添付することで、裁判所は財産開示手続の申し立てを受け付けやすくなります。

さらに、財産開示手続が成功し、相手が所有する銀行口座や不動産、給与などの情報が得られれば、その後の強制執行をスムーズに進めることができます。夜逃げした相手を追い詰めるには、居場所の特定だけでなく、その後の法的手続きを見据えた一貫した戦略が不可欠であり、専門家はそのプロセス全体を強力にサポートします。

本稿のポイント

調停申立人が直面する所在不明問題は、調停の進行を妨げ、財産開示手続や強制執行といった法的手続きを困難にします。この問題に対する解決策として、専門の調査会社に依頼することは極めて有効です。

調査会社は、戸籍住民票の調査現地での聞き込み関係者への聴取などを通じて、法的手続きに必要な正確な情報を効率的かつ合法的に収集します。プロの力を借りることで、依頼者は精神的な負担を軽減し、法的な正義を追求するための確実な道筋を立てることができます。


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相手の住所が不明だったり、意図的に書類を受け取らない場合、送達手続きを進めるためには専門的な調査が必要です。こちらが不十分であると、結果として訴訟を遅らせてしまうことも少なくありません。
そのため、プロの調査会社に依頼することが最も効果的です。 クローバー総合調査では、豊富な実績と信頼性の高いサービスを提供しております。交通費を含めて38,500円というリーズナブルな料金で調査を対応し、提出する調査報告書に関しては、元裁判所書記官監修が監修するため、裁判所にそのまま提出できる形式で提供できるので、弁護士や司法書士の皆様にとっても大変ご高評いただいております。
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